TX045 米空軍研究所(Air Force Research Laboratory)とノースロップ・グラマン社の宇宙太陽発電増設実証研究(SSPIDR)

宇宙で発電、RFで地球に送電

 太陽光発電セルパネルと太陽光からRFへの変換ならびビームフォーミング機能を備えたパネルのサンドイッチタイルの実用化が加速してきています。部品レベルで、たくさんのテクノロジー進化を、地上とはいえ、実証できたことは、再生クリーンエネルギー産業界にとって、重要なステッピングストーンですね、軍隊がデプロイ(遠征)し、テンポラリーな基地を設立する時、最初に確保するべきリソースは、パワー(電力)です。情報交換、全ての防衛システムを操作をする為のほとんどの機材がデジタル化されている現在、電力の供給を閉ざすことは、戦力の低下につながるだけでなく、部隊の安全を確保することもできません。バッテリー機能を画期的に向上させても、バッテリーに送るパワー(電力)自体がジェネレートできないと、全てのシステム自体(電子部品内蔵)が機能しないことになってしまいます。

 今までは、スタンバイパワーユニット(ジェットエンジンによる発電)とか、仮設地熱発電装置、ソーラーパネル発電等、米軍はこのパワーの確保に苦労を重ねてきました。宇宙空間から、RFでパワーを送れるようになれば、防衛戦略にかなりの柔軟性を持たせることが出来ます。こうした軍事目的で開発してきた技術ですが、地上実験での成功を経て、宇宙空間での実用化が始まれば、今までとは逆に、防衛技術の進化の成果が、民間企業のエネルギー問題解消に大きく貢献すると思われます。米空軍研究所とNGに拍手喝采!!

Project Managers James Winter (Air Force Research Laboratory) and Tara Theret (Northrop Grumman) hold models of the photovoltaic and the radio frequency sides of the sandwich tile, while at the Linthicum, Md. facility, to witness the conversion and beaming experiment.

AFRL, Northrop Grumman demonstrate solar to radio frequency conversion,

 Published Dec. 21, 2021

 KIRTLAND AIR FORCE BASE, N.M. (AFRL) – 空軍研究所(Air Force Research Laboratory)とノースロップ・グラマン社の宇宙太陽発電増設実証研究(SSPIDR)プロジェクトは、Arachne飛行実験のための主要ハードウェアの最初のエンドツーエンド実証を成功させました。宇宙での大規模な太陽光発電システムの実現に必要な基本的なステップである、太陽エネルギーを無線周波数(RF)に変換するための新しい部品「サンドイッチタイル」の地上実証実験に成功したのです。

 2018年、AFRLはノースロップグラマンに、宇宙太陽光発電システムのプロトタイプの主要コンポーネントを実証するためのペイロードの開発について、1億ドル超の契約を締結しました。サンドイッチタイルは、Arachneの必須ペイロードコンポーネントとして、また大規模な運用システムのビルディングブロックとして、現在開発が進められています。

 サンドイッチタイルは2つの層で構成されています。第1層は高効率の太陽光発電(PV)セルのパネルで、太陽エネルギーを集めて第2層に電力を供給します。2層目には、太陽光からRFへの変換とビームフォーミングを可能にする部品が搭載されています。

 ノースロップグラマン社、リモートセンシングプログラム事業部副社長のJay Patel氏は、「軽量で拡張性のあるアーキテクチャで太陽光をRFエネルギーに変換することに成功したことは、Arachneミッションを達成するための技術構成要素を提供する上で大きな前進です」と述べています。私たちは、世界中の軍隊に戦略的な優位性をもたらすことができる先駆的な能力を提供することに貢献しています。

 関係者はノースロップグラマンの施設に到着し、期待されるプログラムのマイルストーンに直接立ち会ったほか、バーチャルで参加した人もいました。

 「SSPIDRプロジェクトオフィスは、この基本能力が実験室環境で発揮されることに非常に興奮している」と、SSPIDR副プロジェクトマネージャーのMelody Martinezは述べた。「太陽エネルギーを部品レベルでRFエネルギーに変換することは、宇宙での太陽光発電ビームをより大規模に実現するための極めて重要なステップです。

 地上でのデモンストレーションでは、ソーラーシミュレーターを使ってタイルのPV側を照らし、ソーラーからRFへの変換プロセスを開始しました。ソーラーシミュレーターは非常に強力なため、参加者は産業グレードの柔軟なプラスチック製バリアの後ろからモニターでリアルタイムのRF出力データを確認し、電力変換とRF放射電力の成功を示すRFエネルギーのピークが現れると歓声をあげました。「SSPIDRポートフォリオにおけるこの重要なマイルストーンに立ち会い、ノースロップグラマンのパートナーが成し遂げたすべてのハードワークを見ることができ、非常にエキサイティングでした。「この重要なペイロードの打ち上げに向けて、今後のマイルストーンを楽しみにしています。この技術を軌道上で一刻も早く実証し、我が国のニーズに応えることが重要です。

 Arachneは、2025年にランチングが予定されています。

 詳細情報は、NGの下記のウェブを訪問してください。

https://www.afrl.af.mil/News/Article/2878401/afrl-northrop-grumman-demonstrate-solar-to-radio-frequency-conversion/#

Best regards,
Shoichi Sugiyama, Ph.D.

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